いざという時の応急処置|犬のケース

いざという時の応急処置

犬がけがをしたり、明らかに様子がおかしかった場合でも、
すぐに病院に連れて行ってあげれないことも多いと思います。
そんないざという時の応急処置をいくつかご紹介します。
応急処置をするかしないかでは、治療後の後遺症や、ましてや生死にかかわることも多々あります。
もちろん応急処置だけすればOKというわけではないので、必ず病院へ連れて行ってあげましょう。

そろえておくもの

包帯(止血帯)、消毒液、ガーゼ、絆創膏、温度計、テープ、保冷剤、等
※応急処置法が記載してあるメモなども一緒に入れておくと急な事態に役立ちます。

出血

犬の出血は、皮膚から出血しているかすり傷程度でしたら消毒すれば問題ないのですが、
事故などで大量に出血している場合は止血の処置が必要になります。

また皮膚からの傷ではなく、皮膚病等が原因で炎症を起こして化膿し、出血に至る場合もあります。
この場合は薬の治療やしっかりとした消毒処置等が必要になります。

・直接圧迫法

出血してる場合はまず、【直接圧迫法】で止血をします。
傷づ地に直接ガーゼや清潔な布をあてて手で強く圧迫します。
数分間圧迫しつづけ、途中で力を緩めないようにしてください。
血が止まったら傷口が開かないように包帯を巻きましょう。

・止血法

直接圧迫法でも出血が止まらない場合は、傷口より心臓に近いところを、包帯などで縛ります。
包帯を固く2重巻にぐるぐるして、動脈を抑えるように患部より心臓側のところを1回結びます 。
犬が動いても外れないようにしっかりと結びましょう。
傷口の上に関節がある場合は、関節の上に巻くようにしましょう。

・棒をはさんで巻く

出血により生命の危険がある場合は、上記で結んだ結び目の上に短い丈夫な棒を置き、包帯を棒の上でもう一回結びます。
そして棒を時計の針のようにぐるっと回し、患部を締め付けます。
出血がとまれば棒をテープで固定し、すぐに獣医師の診察を受けてください。
長時間続けていると血液循環が悪くなり危険です。応急処置はあくまでも一時的な手当だということをお忘れなく。

骨折

骨折で応急処置を行う場合は、足の先としっぽのみにしてください。
その他の箇所の骨折が疑われる場合は、家庭で処置せずにすぐに病院へ。

犬が骨折した場合は、患部に割られることを嫌がり、普段の様子からは考えられない攻撃性を見せることがあります。
そのような場合は無理に応急処置をせずに、病院へ受診してください。

1)患部に布を当てます。出血がある場合も同様にガーゼやタオルなどで抑えて止血します。
2)ボール紙や板などをあてて固定します。ボール紙の場合、丸めながら患部を固定するように包み込んでください。
3)テープでしっかりと固定します。きつく止め過ぎないように注意しましょう。

熱射病

ぐったりしていたり、呼吸が荒いようであれば、すぐに手当てをしてあげましょう。
体温を39度以下に下げる必要があるので、水を飲みたがる場合はたくさん飲ませてあげましょう。

1)涼しい日陰や室内に移動します。
2)水をかけたり、氷水がはいった袋を体に当てて冷やし、体温を下げてあげます。
3)応急処置後は必ず病院へ

やけど

軽度のやけど~重度のやけどまでやけどの症状に合わせて応急処置を行ってください。
また、軽度であれ重度であれ、絶対に患部に触らず、消毒液を付けたりはしないでください。

・軽度 / 毛が焦げて焼けたにおいがする、皮膚が赤くなっている、等
 1)冷水に5分ほどつけます。水ではなく氷水を使うことがポイントです。
 2)カーゼを当てて、ゆるく包帯を巻きます。

・中等度 / 毛が焦げてなくなっている、皮膚が赤くまだらになっている、等
 → 応急処置は困難です。すぐに病院へ。

・重度 / 皮膚が白色化いていたり、黒こげになっている状態、等
 → 応急処置は困難です。すぐに病院へ。

異物を飲んだ

異物を飲み込んでしまった場合は、すぐ飲んだものを吐かせます。
オキシドールを水で3倍程度に薄めたものを20㏄くらい飲ませます少しずつ飲ませると効果的です。
また、犬が元気な場合でも腸で詰まったりすると、腸閉塞などたいへんな事態になることもあります。
飲んでしまったであろう物も一緒に持っていき、獣医師に相談しましょう。

とあるアンケートによると、クリスマスや年末の大掃除がある12月がもっとも誤飲事故が多いそうですので気を付けましょう。

もしのどに詰まって呼吸困難になった場合は、飼い主が応急処置できるかで生死を分けます。
あわてずに落ち着いて以下の処置を行います。

1)犬をできるだけ固定します。手伝ってくれる人がいるのであれば、犬が動かないようにしっかりと押さえてもらうのがよいでしょう。

2)犬の口を開けさせ、手で舌を口外へ引き出します。

3)懐中電灯やスマホのライトなどで口の中を照らしてみて、異物があるかどうかを確認します。

4)異物が確認できれば、ピンセットなどで取り出します。ゆっくりと行いましょう。

5)どうしても取り出すことが無理な場合は以下の方法を試します。

・小型犬の場合:足の付け根をもって逆さまに持ち上げ、トントンと背中を叩いて異物を押し出します。
・大型犬の場合:逆さまに持ち上げるのが難しい大型犬は、横向きにゴロンと寝かせて、肋骨の下をグッと押し上げ異物を出します。

それでも取り出せない場合は、取り出すのではなく、細長い棒などを口から喉に突っ込み、 異物を胃の中に逆に押し込みます。

脱水

なんらかの理由で下痢や嘔吐が続いてしまい、体内の水分が失われると、脱水症状を引き起こすことがあります。
皮膚がたるみ、引っ張っても元に戻らないときは要注意!それは脱水のサインです。
重症になると意識がなくなってしまうことも。すぐに水分補給をし、もしあれば薄めたスポーツドリンクを飲ませましょう。

感電

まず、いきなりさわってはいけません!
二次災害で飼い主も感電してしまう恐れがあるので、失禁した尿などにも触らないようにしましょう。

まずはコンセントを抜きます。
犬の意識がはっきりしており回復したかのように見えても、ショック症状を数時間に起こす場合もあります。
念のため病院へ連れて行ってあげましょう。

病院まで運ぶ際は、小型犬の場合段ボールに入れて運んであげ、大型犬の場合は毛布の上に寝かせて毛布の四隅を二人で持ち上げて、担架のように運んであげるのがいいでしょう。