まるで鏡餅のようなぽてぽて感と、のんびりとした空気を流してくれる、ちょっとおデブの「ぽっちゃり猫」が増えていますね。
愛くるしくってたまら無いその風貌ですが、もちろん猫の健康にとっては太り過ぎは良くないことです。
そこで猫のダイエットと健康管理についてご紹介していこうと思います。
肥満は万病の元!
猫は室内飼いがほとんどなので、食べては寝て過ごすことが多く、運動不足になり肥満になりがちです。脂肪分の多い食物を好んだり偏食が激しい猫は、カロリー過多になりやすいです。
特に寒い冬なんかは、寒さしのぎで体脂肪を増やすために食欲が出てきます。そして「猫はこたつで丸くなる」というお正月の歌にあるように、寒いと運動もいつもにまして減っていくものです。さらに、避妊や去勢手術をするとホルモンバランスの関係で太りやすくなってしまいます。
肥満は病気の引き金になることも少なくありません。太ってからのダイエットより、太らせ無いような食事管理と運動を行うように、飼い主が気をつけてあげるのが大切です。
猫の「肥満の基準」って?
猫の肥満度をチェックするにはBCS(ボディ・コンディション・スコア)を参考にすると良いでしょう。
これは猫の骨格にどのくらい脂肪がついているのかをみて肥満の度合いを調べるものです。
BCS:1 痩せすぎ
体脂肪・・・≦5%
肋骨・・・脂肪に覆われず、容易に触ることができる
腹部・・・容易に触ることができる
体型・・・横から見ると腹部のへこみは深く、上から見ると極端な砂時計型をしている
BCS:2 痩せ気味
体脂肪・・・6~14%
肋骨・・・ごく薄い脂肪に覆われ、容易に触ることができる
腹部・・・容易に触ることができる
体型・・・腰にくびれがある
BCS:3 理想体重
体脂肪・・・15~24%
肋骨・・・わずかな脂肪に覆われ、触ることができる
腹部・・・なだらかな隆起を感じられる
体型・・・腹部はごく薄い脂肪に覆われ、腰に適度なくびれがある
BCS:4 太り気味
体脂肪・・・25~34%
肋骨・・・脂肪に覆われ、触ることは難しい
腹部・・・やや厚い脂肪に覆われている
体型・・・腹部は丸みを帯びやや厚い脂肪に覆われ、腰のくびれはほとんどない
BCS:5 太りすぎ
体脂肪・・・35≦%
肋骨・・・厚い脂肪に覆われ、触ることは非常に難しい
腹部・・・厚く弾力のある脂肪に覆われている
体型・・・非常に厚い脂肪に覆われ腰にくびれはない
どうやって運動させるの?
食事管理はなんとなくわかるけど、猫の運動はどうすればいいの?と思う方もいるかもしれません。
「運動」というより「動かしてあげる」ことを重点的に、まずは以下の方法を試してみましょう。
● 猫が気に入っているおもちゃでひたすら遊ぶ
猫は非常に飽き性なので、気に入ったおもちゃじゃないとなかなか長い時間遊んでくれません。
猫じゃらしはかなりの確率でお気に召してもらえることが多いのですが、他にも音が鳴るおもちゃや、プレゼンとかで使用する赤いレーザーの光なんかも気にいる猫ちゃんが多いようです。
また、マタタビが入ったおもちゃや、おもちゃにまたたびパウダーを使って遊ばせるのも一つの手です。
しかしまたたびはアルコールのようなものですので与えすぎは禁物。一度に1g以上与えると危険なので注意してください。
● キャットタワーを設置してあげましょう
猫はジャンプ力があり、歩いたり走ったりよりも上下の運動の方が得意です。最初はなかなかキャットタワーに慣れてくれ無い猫ちゃんも多いですが、おやつやまたたびで誘導し、少しずつ慣れさせてあげましょう。
食事はどうすればいいの?
キャットフードの選び方
キャットフードは「総合栄養食」と「一般食」があります。選ぶときは「総合栄養食」と書かれているものにしましょう。
言ってしまえばその総合栄養食のキャットフードとお水だけで猫にとって必要な栄養素がバランスよく摂取できます。
また、総合栄養食のパッケージに実際の代謝エネルギー(ME)が記載されているのを選びましょう。どのくらいのエネルギーに変わるのかがわかり、猫ちゃんのダイエットに役立ちます。
猫に必要な栄養素
猫の体づくりに重要な栄養素は動物性のタンパク質と脂質です。
他にもビタミン・カリウム・リンなどのミネラルも必須です。ですがビタミンCは体内で作り出すことができるので、野菜を食べさせる必要はありません。
絶対に食べさせてはいけないもの
● 玉ねぎ、ネギ類・・・赤血球が破壊され貧血を引き起こす可能性があります。
● アワビの内臓・・・アワビを食べた猫が日光に当たると炎症を起こしてしまいます。
● 鳥の骨、魚の骨・・・カルシウム補給には最適ですが、喉に刺さる危険性があるので与えてはいけません。
たくさん食べさせてはいけないもの
● 青魚・・・アジ、イワシ、サバなど。細胞の老化を早めます。
● イカ、タコ、エビ・・・消化が悪いので胃腸障害を起こし便秘になりがちに。
● 牛乳・・・子猫の頃は消化酵素があるので問題ないですが、成長するにつれて下痢を起こしやすくなります。
肥満が招く病気とは?
肥満が原因で引き起こしやすい病気は以下の通りです。
● 関節炎・・・体重が重くなり、関節に負担がかかるため。
● 心臓病・・・血圧が上がり、心臓に負担がかかってしまいがちです。
● 糖尿病・・・血糖値が高くなると、体の代謝に悪影響を与えます。
● 他にも皮膚病、高脂血症、生殖器疾患などのリスクが上がります。
肥満にさせないために、生活チェックは忘れずに!
猫が欲しがるだけおやつやご飯をあげたりしてませんか?いくら可愛い愛猫だからと言って、甘えん坊に育ててしまうと病気になりやすくなってしまいます。また人間が食べるような味の濃い食べ物は与えず、しっかりと猫ちゃんに必要な食事と運動環境を与えてあげましょう。
猫の体重が年齢の標準体重より15%以上多い場合は肥満と考えられています。長く一緒にいるために、体型の変化にもしっかり気づいてあげましょう。