高齢猫になると人間と同じく痴呆の症状がみられます。それぞれ個体差があり、何歳から痴呆になるという目安はありません。また必ずしも痴呆になるということでもないですのでご安心下さい。
高齢猫の痴呆の症状
遠吠えをすることがある。
夜中に急に「ウォーウォー」というような叫び声をあげたり、家の中を歩き回るのは、痴呆の症状の一つです。これは自分の位置を確認しようとする野生の本能の現われで起こる現象です。
食事を何度も催促する
さっき食べたばかりなのに、それを忘れて催促してきます。お腹が満腹な状態でも、食べたいという欲求が脳内に起こるようです。
高いところに登れない
運動神経が衰え、ジャンプして高いところに登れなくなります。自分がもう登れなくなったことを理解できずに登ろうとして転倒する事もあります。
爪とぎをしなくなる
毛づくろいや爪とぎなど、日頃行っていた事もできなくなっていきます。短毛種の場合も、毎日のスキンシップの際に手ぐしなどで抜けた毛をとって上げてください。
高齢猫の爪は徐々に固く丸まってきます。ほっておくと歩行に支障をきたしたり、手に食い込んで痛い思いをしてしまいますので、猫専用の爪切りで定期的に切って上げましょう。
高齢猫に快適な環境づくり
高齢猫には人間と同じように数々の変化が出てきます。人間も高齢になるとわずかな段差でも辛くなるのと同様に猫も同じ思いをします。では高齢猫の住みやすい環境はどうのような環境でしょうか?
段差を減らしてあげる
お気に入りの高い場所に登れなくなった猫のためには、登るためのステップを作って上げましょう。箱や家具などを階段のように段差をつけて並べたり、傾斜の緩やかなスロープをつけて上げると喜びます。
部屋の模様替えをしない
猫にとって、お気に入りで快適な場所はいくつかあるものです。日当たりがよかったり、人の出入りが少なくて落ち着ける場所などを好みます。飼い主の姿が見れて安心できる場所など、猫それぞれで理由があっての「お気に入り」の場所があります。
トイレの場所を増やす
トイレの場所がわからなくなったり、遠くて行くのが億劫うになる場合があります。いつもの場所の他に猫がよくいるところの側にもトイレをおいて増やして上げましょう。
気温の変化に注意する
歳を重ねると、気温の変化に適応する能力が低下していきます。冷房や暖房を使用する際は、人間にとっての快適な温度を基準にしないように、猫の様子も見て上げましょう。
フローリングからカーペットに
フローリングは掃除がしやすく、ハウスダストなどのアレルギー対策にもなります。ただし高齢の猫には滑りやすく危険なものです。また、動物用に滑り止めを兼ねたワックスも販売されています。